譲渡所得税は、不動産の売却時に得た利益に課される税金で、所得税と住民税が含まれます。譲渡所得は、譲渡価格から取得費と譲渡費用を差し引いて計算されます。
取得費は購入価格に仲介手数料などを加え、建物の減価償却費用を引いたものです。借地権の場合、契約料や更新料は含まれますが、月々の地代は含まれません。
譲渡所得税は所有期間によって短期(5年以内)と長期(5年超)に分かれ、それぞれ税率が異なります。短期譲渡所得は所得税30.63%、住民税9%で合計39.63%、長期譲渡所得は所得税15.315%、住民税5%で合計20.315%です。
借地権の売却時に不動産会社を利用するメリット

借地権の不動産を売却したいときは、不動産会社に仲介を依頼しましょう。借地権の不動産売却には、借地借家法の理解や地主とのやり取りなど、借地人には難しく感じる部分も多いものです。
不動産会社に依頼すると、適正な売却価格の設定や新たな買主の紹介、地主との交渉代行、契約書の締結や法的手続きのサポートが受けられます。
不動産会社の選び方
借地権付きの不動産の売却には、通常の売却とは異なる手続きや買主へのアプローチが必要になります。借地権の不動産を売却する場合は、借地権売却に対する知見や経験のある不動産会社を選ぶとよいでしょう。
借地権不動産を第三者に売却する際の不動産仲介の流れ
借地権の不動産売却に不動産会社を利用する場合、以下の流れで進めます。
まずは新たな買主を探す前に、地主に借地権譲渡の承諾を得る必要があります。建て替えの承諾、抵当権設定についてもこのときに話し合っておくべきです。
譲渡の承諾が得られれば、譲渡承諾料をお互いの合意のうえで決定します。借地権価格の1割程度が相場ですが、法的義務はなく慣習で行われているものなので、金額はケースバイケースです。
地主からの承諾が得られれば、不動産会社による売却活動が開始できます。借地権の不動産売却は、地主・借地人・買主の三者の合意が必要なため、通常の取引より時間がかかることが予想されます。
買主が見つかれば、売却価格や譲渡する時期について詳しく調整していきます。
買主と価格や時期の調整が済めば、売買契約の締結をします。借地権の契約は、通常の不動産売買と異なり、地主による譲渡承諾書の作成も必要です。
売買契約に基づき、決済と引き渡しを行います。建物付き借地権の場合は、建物の所有権移転登記が必要です。決済と土地の引き渡しが済めば取引は完了します。
借地権の不動産は地主への売却ができればベスト
借地権の不動産は地主への売却が最もスムーズな選択肢です。借地権付きの不動産は、地代の支払いが必要であったり、リフォームや建て替えが自由にできないため、売却が難しいとされています。特に、相続によって借地権の管理に困っている方が多いでしょう。
借地権の売却にはいくつかの方法がありますが、地主への売却が最も効率的です。普段から地主との信頼関係を築き、お互いが納得できる条件で取引を進めることが、成功の鍵となります。ただし、すべての地主が積極的に買い戻しに応じるわけではないため、交渉が難航するケースも考えられます。
また、地主との交渉や売却価格の設定については、借地権売却に実績のある不動産会社をパートナーに選ぶことも重要です。借地権特有の複雑さを理解し、スムーズに売却を進めるために、慎重に不動産会社を選びましょう。